トランスレスの 0-V-2 をさらに原価低減した2号機です。使った真空管は 12AU6-12AV6-50EH5です。

原価低減したのは下記の点です。
(1) 検波の 6AU6 の負荷の 100H のチョークコイルをやめて 220kΩの抵抗にした。
(2) ヒーターの点灯方法変更。
ヒーターと直列にフィルムコンデンサを入れて電圧を下げる方法から、ヒーターと直列にシリコンダイオードを入れて半波整流して 実効値の約 71V が加わるようにした。ヒーター電圧は 12AU6-12AV6-50EH5 の合計で約75V ですし、整流用ダイオードでの電圧降下 もあって若干足りませんが、我が家のコンセントの電圧は約103V ですので、5%程度足りないだけで、真空管に優しくなります。 なお、回路図でヒーター整流用ダイオードが 300V 3A となっていますが、それと直列に 1A のダイオードもつないでありますし、1A の で大丈夫です。パワーサーミスタも入れてありますし。パワーサーミスタを使わない場合には 15Ω 1W の抵抗にしてください。

今回はスピーカーの保護用グリルを前面パネルの裏側から取り付けました。(前面パネルに入れた文字の一部がグリルで隠れてしまった ので。前回もその失敗をしたのに。)そうすると格好はよいのですが、スピーカーグリルが大きすぎるので、シャーシに細長い穴をあけ、 グリルの下部がシャーシ内に沈むようにしました。大変面倒でした。それに、前面パネルに開けたスピーカーの穴がきれいな円ではない のが見えてしまいます。グリルを前に付けて隠れる予定だったので、ハンドニブラーで開けた後、ていねいに加工しなかったので。

なお、B電源は簡単な安定化をしました。実は1号機も最初は今回と同じ安定化回路で作ったのですが、いじっているうちにショートして FETが壊れ、直す際に手抜きしてリップルフィルターのみ(FET×1個)で済ませたのでした。

組み立てて電源を入れたら、地元の強力な局がわずかに聞こえるだけでした。バリコンを回しても関係ありませんでした。そこで回路図と 現物を比べたら、0.047μFのコンデンサ2個の配線を忘れていました。それらを追加したら鳴りました。

で、感度、再生のかかり具合、ハムなどをトランスレスの1号機(チョーク負荷)とBC帯で比べました。同じ数mのコードをアンテナにし、 同じコイルを差し替えました。しかし、耳で聞いた感じでは、あまり差がありませんでした。 AC100V 側に入れる 0.01μF程度のコンデンサ についても、同じく全然入れないのがベスト(ハムが一番小さい)でした。短波帯でも、大きくは変わりません。ということで、皆さん安心 して抵抗負荷で作ってください。