2球トランシーバーの4号機になります。27MHz 帯用です。1号機は 1971年頃、ラジオ 少年だったときに「初歩のラジオ」誌の巻末の広告を見てあこがれた科学教材社さんのキ ットの回路で作りました。(本サイトの下の方の【7.9】参照) しかし、当時は小遣いに 余裕がなく、シャーシを使いまわしていましたので、しばらくして解体してしまい、残っ ていません。そこで今回、懐古趣味で、なるべく科学教材社さんのキットを真似て作り ました。(ちなみに、2010年頃には科学教材社さんには当時のものが展示してありました。)

オリジナルから変更した点は、①周波数可変用の「再生用豆コン+10pF 直列」の代わり に 10pF のタイトバリコンを使ったこと(今では再生用豆コンは入手困難でもったいな く、あっても高価ですので)、②スピーカーの前の穴として、黒いパンチングメタルを使 ったこと、③オリジナルではアンテナ端子が前面パネルの右上にありますが、ボディーエ フェクトを避けるため、今回はシャーシの後ろに付けたこと、④電源コードを脱着式にし たことです。

コイルは雑誌の記事を見て 12mm のコア入りボビン(入手困難ですので、空芯コイルがよ さそう)に自分で巻きましたが、これの巻き数が雑誌の記事によってまちまちで困ります 。以前科学教材社さんで買った本物のコイルも、雑誌の記事と若干異なりました。もっと も、あまりクリティカルではなく、回路図中に書いた巻き数で問題ありません。それより 、シーメンスキーの端子の配線が込み入っている点が作りにくいと言えます。

シャーシ加工は面倒ですが、それが終わればキット同様です。組み立てて電源を入れたら 、即動きました。何年にもわたって販売されていたキットと同じ回路と部品配置にしたの で、超再生とはいえ、驚くことはありません。ダミーロードとしてアンテナの代わりに 8V 0.15A の電球をつないで送信すると、明るくはありませんが、光ります。(^^;

無免許で出せるパワーより大きなパワーが出ます。アマチュア無線の周波数に改造しても 、発振回路を直接変調していますので、免許を受けることはできないと思われます。それ 以前に、送信音にはハムが混じりますし、周波数が安定ではありませんので、いまどきの 狭帯域のフィルタが入ったハム用トランシーバーとは交信困難でしょう。おもちゃの超再 生式のトランシーバーとならそれなりに安定して交信できそうですが。

ともあれ、昔あこがれた科学教材社の製品を所有できた気分です。

その後、ハム雑音が多いのを気にして、出力トランスと入力トランスの位置を変えてみま した。その結果判ったことは、電源トランスからの磁束が入力トランス(超再生検波回路 の負荷としてのチョークコイル)に拾われていることが判りました。科学教材社のキット は鉄製のシャーシですので、その問題はないかもしれませんが、私が作ったのはアルミの シャーシですので、磁気的に結合してしまっているようです。小さなシャーシの中ですの で、あまり位置を変えることもできませんが、入力トランスを傾けたら、ハム雑音がある 程度減りましたので、それで我慢することにしました。シャーシ内部の写真の右端のトラ ンスが入力トランス兼超再生検波回路の負荷のトランスです。