少年たちが「初歩のラジオ」などの広告を見てあこがれた、光波無線製の 3球トランシーバーです。1968年の「初歩のラジオ」の「二光電気通販」 の広告に出ています。「初歩のアマチュア無線」(1970年版)にはハム用 に改造する記事が出ています。

使用してある真空管は12AT7-6AR5-5MK9 で、12AT7 の半分で受信時は超 再生検波、送信時は発振、残りの半分は低周波電圧増幅、6AR5 で低周波 電力増幅をします。この点、科学教材社の「2球スカイトランシーバー」 シリーズと基本的に同じですが、科学教材社の方はスピーカーがマイク兼 用でした。(その後、クリスタルマイクを使うタイプ、送受信をリレーで 切りかえるタイプも出ましたが。)

送信出力は何百mW かありますので、本当は無免許では×でした。プラグインコイルを挿しかえて 27MHz 帯と 50MHz 帯で使えます。とはいって も、発振回路を変調する方式ですので、50MHz 帯でも JARL(今は JARD?) の認定は得られなかったはずです。

その後、灰色っぽいケースに入ったタイプ(エコー2RQ、3RQ)とな り、3RQには受信時の高周波増幅段が付いていました。高校生の頃に真 似て高周波増幅付きを作った限りでは、高周波増幅段を付けると、送受信 の周波数がかなり異なってしまい、結局高周波増幅段は撤去しました。 (本ホームページ内にある自作2球トランシーバです。)

2RQ以降では、送信出力を2Wにする改造、水晶発振方式にする改造が 取扱説明書に載っていました。2W化はB電圧を上げ、2本の抵抗のワッ ト数を大きくするだけです。また、ほかの周波数用のコイルの巻き方も載 っていました。

エコー3RQまでは1:3の低周波トランスが超再生検波回路の負荷とな っていましたが、次の黒っぽい「M2」、「M3」からは1:3の低周波 トランスは省略されてしまい、CR結合となりました。また、「M2」、 「M3」からプリント基板になりました。さらに、かっこよく見せるため にメーター(安いラジケータ)が付きましたが、超再生検波では当然なが ら受信している信号の強度は表示できず、送信信号の一部を取り出して表 示しているだけでした。

最後には「MM33」となり、「呼び出し装置」(多分、ピーという音を 送信する発振回路)が付き、マイクがラペル型クリスタルマイクからダイ ナミックマイクらしきものになりました。とはいえ、3RQ の時代から、ス イッチやボリュームなど操作個所の位置は変わらず、基本的には同じでし た。

なお、スピーカーが断線していましたので、近年のフェライト磁石のタイ プと交換してあります。動作します。

Boy's three-tube transceiver sold in the 1960's. The tubes used are the 12AT7(super regenerative detector and audio amplifier)-6AR5 (audio power amplifier)-5MK9(half wave rectifier). Later, new versions (2RQ/3RQ and M2/M3 and MM3) were added in the 1970's. The 3RQ, M3 and MM3 had an RF amplifier.