例によって 100円ショップの CDケースに組んだ高二ラジオです。球は6BD6-6BD6-16A8 の構成です。16A8 は 6BM8 のヒーター電圧が 16Vのバージョンです。もっとテレビ球 を使いたかったのですが、リモートカットオフ特性のテレビ球は多くないのと、発振を 恐れて gm が高くない 6BD6 を使いましたが、バイアス電圧の加減からか、6BA6×2本 よりよさそうです。

私が子供の頃に親しんだ 1970年前後の「初歩のラジオ」には高二ラジオの製作記事は ありあませんでしたので試したことがなく、今回初めての挑戦でした。が、CDケース上 に組んだ高一のときと違って、発振せずに動作しました。(子供のときに作った高一は、 コイルをシャーシの上と内部に配置したためか、発振はしませんでした。)

高周波増幅一段目と二段目のあいだは CR結合ですので、バリコンは2連で済むのに3連 バリコンを使ったのは、バリコンの真中のセクションのステーターをグランドにつない でシールドにしたからです。試しに初段の負荷抵抗の 10kΩを 4mH のチョークコイルに したら発振しました。スクリーングリッドの電圧を上げてやれば、さらに感度を上げるこ とができるかもしれません。

ヒーターを点火するのに、今回は初めてフィルムコンデンサを直列にして電圧を下げて います。(100V-6.3V-6.3V-16V=71.4V 分)この方法は軽くて小さくて発熱がほと んどなくていいのですが、電源を ON にしてから動き出すまでに 30秒ほどかかります。 注意すべき点は、球によってヒーター電流(規格では 0.3A ですが)にばらつきがあり ますので、直列にしたときに、それぞれの球のヒーター電圧が正規の電圧にならないこと がありますので、実測しながら球を差し替え、全部の球のヒーター電圧がほぼ規定の通り になるようにしました。★60Hzの地域では、このコンデンサの容量を 1/1.2 にする必要が あります。B電源は AC100V を両波倍電圧整流し、パワーMOS FET を使ったリップル フィルタを入れています。

AVC 回路のおかげで、わりと快適です。ただし、感度調節のボリュームを感度最大にし ないと、AVC は効きません。感度調節を最大にしても、前作の高一ラジオと違って発振 しませんので、扱いやすいです。高一のときには、高周波増幅段の感度を上げると発振 するし、再生調節のボリュームを上げると発振するので、素人向きではありませんでし た。選択度は再生を効かせた高一よりは悪いですが、実用上問題ありません。 スーパーと違ってミクサーノイズがないし、帯域が広い(選択度が悪い)ので、Hi-Fi を期待して低周波増幅段には負帰還を少しかけました。しかし、低い方の周波数では電 源に外付けのフィルタを入れても外来ノイズが聞こえることがよくあり、放送をよい音 質で楽しむことができないことがよくあります。ちなみに、歪率や周波数特性を測った ら、今まで作った直熱三極管アンプと比べると、いまいちでした。たとえば、実際に使 うレベルと思われる出力 0.1W では歪率=2.7%、出力 0.5W では 5.7% などです。こ れは、出力トランスをけちって小さいのを使っために、プレート電流を減らしたからで はないかと思います。周波数特性が 1kHz から下でダラダラ下がるのも、出力トランス をけちって小さいものにしたせいだからと思っています。

A TRF radio with two RF amplifier stages. This is my first time to try a radio with two RF amplifier stages. It worked without oscillation from the beginning somehow though I did not use shiled cases or plates except for the middle section of the variable condenser used as a shield plate. (I connected the middle swection to the ground.)

There is no coil (tuning circuit) between the first and the second RF amplifier stages. Instead, I used a resistor-capacitor coupling. The heaters of the three tubes are connected in series (6.3V+6.3V+16V=28.6V) and connected to the power line (AC100V) via film capacitors (9.3uF in total) to eliminate a heater transformer. Note that the specified heater current of 0.3A can be actually vary from tube to tube and you need to actually measure the heater voltages and select tube combination so that the heater voltages will be close to the specified voltages. The B voltage is made by a voltage doubler from the AC100V and a ripple filter using a power MOS FET.

The AGC circuit works good. The selectivity is not as good as similar TRF radios with regenerative detectors but is OK. I hoped that, thanks to the internal noise less that superhet radios' and to the wider bandwidth, I would be able to enjoy Hi-Fi audio but noise from the outside bothers me especially at lower frequencies. The frequency response and the distortion did not test very good compared with my audio amplifiers using direct heated triodes as output tubes. This is probably because of the small output transformer and the low plate current to avoid the saturation of the output transformer.