「初歩のラジオ」の記事の回路図をいろいろ検討し、中学2年生の秋に、おも に田ヶ谷正久先生(お元気でしょうか)の記事を基にした回路で高一中ニ受信 機を作りました。もちろん部品はテレビやラジオから取ったものを最大限に活 用しました。3連バリコン、球、出力トランス、電源トランス、C・R類など。 4バンドのコイルパックは高くて買えませんでしたので、トリオの RF付S-B コ イルによるモノバンド(3.5MHz~10MHz)仕様です。メカフィルは買えず、T-21 を使っただけです。

ケースはリードの AS-2です。もっと格好がよくて大きなケースにしたかったの ですが、そういうのは高くて買えませんでした。前面パネルが鉄板だったので、 穴開けには少々苦労しました。このケースではシャーシが内部で固定されず、 浮いている(前面パネルだけでケースに固定されている)のが不思議でした。

最初の構成は以下の通りです。高周波増幅:6BA6、周波数変換:6BE6(自励)、 中間周波増幅:6BA6×2、プロダクト検波:6BE6、BFO:6AV6、低周波増幅: 6GW8、電源:シリコンダイオード整流としました。これで結構小さくできまし た。電源トランスは5球スーパー用しか持っていなく、当然B巻線の電流容量 が不足でした。そこで考えたのが、250V×2、60mA の両波整流用の巻き線を別 々に使えば、250V 60mA の電源が二回路できるであろうという、愚かなアイデ アです。当然ながら、どちらの巻線からの整流出力も電圧降下が大きく、結局 普通の両波整流にしました。それでも容量不足は変わりませんが。せめて 6GW8 で浪費させている分をバイアスを深くして減らせばよかったのですが、「6AR5 のカソードには 420Ω、6GW8 には 170Ω」しか知識はありませんでした。

一発では動きませんでしたが、少しの手直しで鳴りました。1971年当時は 3.5 MHz 帯に AM局がわずかに残っていて、「クズ屋でテレビの水平出力管を10円で 買ってきて送信機の終段に使った」などという楽しい会話が聞けました。もち ろん、SSB も復調できましたが、おもに AM局を聞いていました。SSB だと人の 声が不自然ですので。

本機は大学時代に (1)周波数変換段の他励式化、(2)プロダクト検波+BFO を 6BE6×1で済ます、(3)低周波増幅段は IC (LM380)式に改造しました。局発は 電源投入後 45分でほぼ安定するようになりました。それまでは、いつまでたっ ても SSB を受信中はダイヤルから手が離せませんでした。写真は改造後です。 Sメータの下の穴は、Sメータのゼロ調整用ボリュームの跡です。最初、ツマミ はたくさんあった方がカッコいいと思って前面に付けました。
After comparing various shortwave receiver articles I built this one when I was 14 years old. This was my biggest project. Many components are from old radios and TVs. I could not afford an expensive coil pack (switched coils for many bands) . So, this one receives 3.5 to 10MHz only. I could not afford a mechanical filter either.

I wanted to use a bigger and better looking cabinet but it was too expensive. This one is made of steel and it was not easy to drill holes.

The original configuration was as follows. 6BA6 for the RF amplifier, 6BE6 for the mixer/local oscillator, two 6BA6s for the IF, 6BE6 for the product detector, 6AV6 for the BFO, 6GW8 for the audio.

I did not have a power transformer large enough to power so many tubes but thought a regular one for 250V+250V @60mA for both waves rectification could be used as 250V 60mA plus 250V 60mA! Naturally, the voltage dropped considerably. I did not know that I should change the self bias resistor of the power output tube.

It worked after some minor corrections and I was very happy. In the 1971, only a few stations were talking in AM mode at 80m. I remember somebody was talking about his transmitter using a sweep tube from an old TV.

When I was a college student, I modified this receiver. I used a separate local oscillator, changed the 6BE6 product detector to include the BFO function, changed the audio amplifier to LM380. As a result, the local oscillator stability was improved and became stable about 45 minutes after turning the power on.