【6.1】トラブルだらけの個人輸入
下記は、最初1種類のIC(型番を xxxxxC としておきます)の見積りをもらい、途中でもう1種
類のIC(型番を yyyyy としておきます)の見積りももらって発注したときの経緯(トラブル 状況)
です。

●某月10日:数年前、日本では見かけなくなったICを買ったことがある某国の某社のZ氏に
「xxxxxCというICある?いくら?」とメールした。
●某月10日:「単価 UD$32.50」とメールが来た。(え~っ、そんなに高いの?こりゃダメだ。)
(以下、価格は単価)
●某月11日:Z氏にxxxxxBなら安いんじゃない?」とメールした。
●某月11日:Z氏からxxxxxBなら US$16.00 とのメールが来た。(それでも高いなあ。)
●某月11日~12日にかけて:別の3業者から御用聞きメールが来た。(え~っ、タイミング
よすぎ。どういう仕組み?でもまあ、値段を聞いてみよう。)
●某月11日:上記の「別の3業者」の一つであるA社のM氏に見積もり依頼した。
●某月12日:M氏から「xxxxx はAでもBでもCでも UD$9.08」との見積もりが来た。(や、
安いじゃん。)
●某月12日:3番目の業者から xxxxxCは US$16.77、xxxxxBなら US$4.45 との見積もり
が来た。(げ、ほんと?Z氏は相当ふっかけてきたな。)
●某月12日:M氏から「私の見積り、どう?」と問い合わせメールが来た。(向こうは早く仕
入先に「買う」と言わなきゃならないのかな。)
●某月13日:4番目の業者からも、3番目の業者と同じような値段の見積りが来た。(でも、
本命のxxxxxCはM氏のところが断然安いゾ。)
●某月13日:PayPal が使えるし、メールに電話番号、FAX番号が明記してあり、会社のホ
ームページには建物などの写真もある、怪しくなさそうなM氏のところから xxxxxCを買お
うと思った。
●某月14日:そういえば、もう一種類のIC yyyyy も要るので、M氏に yyyyy もあるかと問
い合わせた。
●某月14日:M氏から、yyyyy は US$4.83 というような、でもよくわからない見積りが来た
ので、質問した。
●某月15日:Z氏から yyyyy は US$0.85 との見積りが来た。(yyyyy は安いけどなあ。)
●某月15日:M氏に「yyyyy は US$0.85 のところもあるよ」とメールした。
●某月17日:M氏から、yyyyy は US$1.00 で xxxxxCは US$9.08 で総額いくら、と連絡あ
り。送料その他も確認済み。
●某月17日:M氏にその値段で買うよとメールした。(うまくいったな。)
●某月18日:見積書がメールに添付されて来た。はっきり xxxxxCと書いてあり、「C」は
赤で書いてあった。(よしよし。)
●某月18日:PayPalで送金した。(送金手数料、高いなあ。送金額によっては銀行送金
の方が安そうだなあ。でも、PayPalの方がトラブったときに少しは何かしてくれるらしいし。)
●某月19日:M氏から、「入金した。発送準備中。」とメールが来た。(もうちょっとだ。)
●某月20日:M氏から、「xxxxxCがない。あちこち聞いたがない。」とメールが来た。(え
~、カネを取ってから交渉?何を売りつけようっていうの?C国式のやりかたなんだろう
か?やっかいなことになったぞ。)
●某月20日:「xxxxxCか、第二希望の xxxxxAもないならカネを返してくれ」とメールした。
●某月21日:いつもはすぐ返事をよこすのに1日何も言ってこないので不安になり、xxxxx
Cの倍のxxxxxB(Bなら US$9.08の半分くらいが妥当)と倍の yyyyyでもいいよとメール
した。(譲歩の姿勢を見せたつもり。本当は xxxxxBはあまりうれしくないんだけど、使え
ることは使えるし。)
●某月24日:(土日だったせいかもしれないが、)何も言ってこないので不安になって、
「いつ発送したの? それとも返金したの?」とメールした。(もしかして、逃げたかなあ?
ネットで調べたら、被害者がたくさんいる業者もいるしなあ。)
●某月25日:M氏から、xxxxxBを単価US$6.80で2割増量、yyyyyを倍でどうかとメール
あり。(総額をにらんで、結構いいところを突いているなあ。)
●某月25日:それでいいとメールした。
●某月26日:すぐに出荷手続きするとメールあり。
●某月28日:早くも荷物が届いた。「やれやれ、やっと終わった。」と思ったら、なぜか
yyyyy が当初の数(倍増前の数)入っているだけで、xxxxxBがない! おまけに、イン
ボイスの xxxxxCが線で抹消してあるのに、合計金額が訂正してないせいか、その分
の消費税相当額も取られた!(xxxxxBは送ってこないつもりか?)
●某月30日:国際宅配便業者に、同社のサイトを通じて取りすぎの消費税分を返して
くれとメールした。
●某月31日:その国際宅配便業者から、「一度申告、通関許可となりましたお荷物に
関しましては、税関では受け付けていただけない為(申告価格が上がる場合は修正
申告が可能ですが)、消費税の返金はいたしかねる状況でございます。」とメール来
た。(畜生!2種類入っているか、1種類しか入っていないかは現物を見れば判った
だろうに。)
●某月31日:M氏から、「国際宅配便業者のこちらの支店から、おまえが関税を払う
のを拒否していると言われた。払わないと入手できないよ。」とメールが来た。(なん
てえ国際宅配便業者だ!こっちは不当に高く取られたからクレームしているだけなの
に。フェデラルエクスプレス社ならよかったかもしれないなあ。「D」め。)
●某月31日:M氏から、「倉庫係のミスで二つに分けて発送した」とメールあり。(今
ごろかよ。でもよかった。高い方のxxxxxBもこれから来るんだ!)
●某月31日:その国際宅配便業者に「現品を見れば、品物が1種類しかないのは明
らかなのに、2種類分の消費税を取ったのはミスだろ」とメールした。同社の別の人
から電話があったが、税金は戻りませんと言うのみだった。でも、どの組織のミスか
は聞き出した。そういうことか。○○と一緒にチェックすることになってるんだ。
●某月31日:M氏に「関税を払ったから最初の荷物を受領したんだぞ。インボイスの
合計額が訂正してなかったせいで、最初の荷物に入っていなかった xxxxxBの分の
税金まで取られた。」とメールした。
●翌月1日:M氏から、「ごめん。二番目の荷物の金額は安く書いておいた。」とメール
あり。(いけないんだ、そんなことしちゃ。こちらからはそんなこと頼んでないからね。)
●翌月2日:ところが、二番目の荷物が日本に着いてから48時間以上も通関されて
いないので、国際宅配便業者にクレームした。すると、受付け嬢が「確かに遅いです
ね」。
●翌月3日:xxxxxBと残りの yyyyy が配達された。消費税分については、配達時に
請求されなかったので、前回の取りすぎの配慮かと思った。しかし、後日しっかり請
求書が来た。

以上で、代替品ではありますが、やっとのことで届いたわけです。(精神的に疲れま
した。はい。)


ところがどっこい、まだトラブル・苦労は続きました。

●翌月3日:xxxxxBをある機械に実装してみたら、変な表示をするばかりで動かな
いではないか!!! 秋葉原で昔買った xxxxxBは動くのに。(どうしよう。大損だ。
返品できたとしても、送料が結構かかるなあ。)
●翌月3日:M氏に「動かないよ」とクレームした。
●翌月4日:M氏から、「テストレポートをくれ。本当にダメだったら代品を送る」とメ
ールあり。(え、そんなまともな業者だったんだ。意外。いやいや、まともなんてとて
も言えないな。)
●翌月4日:xxxxxBのメーカー(米国)のサイトを通じ、「C国から近年製を買ったが
動かない。近年製は昔のとピンコンパチではないの?」と質問した。(型番が同じな
んだから、同じはずだけど、「偽物が出回っている」とか何か判るかもしれないと期
待して。)
●翌月4日:xxxxxBのメーカーから「72時間以内に返事しないと解決済みとみなす
ぞ。xxxxxBは 2004年に製造終了した。おまえの言っている 2008年の date code
を表示した製品は存在しない。正規代理店から買わなかったのなら、偽物かグレ
イマーケット品だ。そういう品物は保証しない」という内容のメールが来た。(想定
の範囲内の回答だ。)
●翌月5日:このICは好きで、何度か使ったことがあるので、ソルダーレス・ブレッ
ドボードに組み立てていろいろいじってみた。その結果、なんと、xxxxxBと印刷(
表示)されているのに、実際には xxxxxDだと発見!(やった~。こんなこと発見し
俺ってすごい!こんな人間がなんで営業部勤務なんだ?)

xxxxxDでも、予定している用途ではBと同じことができるので、結局、「しょうがな
いなあ。まあいいや。」ということにしました。

それにしても、
★いい加減な業者がいるんですねえ。最初は高い値段をふっかけるのは珍しくな
いにしても、モノがないのに受注し、いい加減なインボイスを荷物に添付し、なぜか
二度に分けて発送(発送ミス)する。

★変なものを(作って?)売る国ですねえ。かの国は。工場の従業員が夜こっそり
密売用に製造した?? まさ
か、ICではそんなことできないでしょう。でも、yyyyy の方は見た目(作り)が若干
干違うのに、全部同じロット記号が印刷されているから、表示を消して印刷しなお
したな。

■ともあれ、私は運がよかったです。精神的に疲れただけで、最終的には使える
ものを入手できたのですから。昔、会社の貿易実務の教育で、その世界では知ら
れた先生が「外国相手の取引ではどうにもならないこともある。そういうときにあき
らめることを『教養』と言う」とおっしゃってました。あやうく教養が豊かになるところ
でした。

皆さん、輸入品が割高なのは、こういうことがあって、買う人からは見えないところ
のトラブルでコストがかかっているからなんです。きっと。